まなびっと体験講座で五稜郭の歴史を学ぶ!

4月21日、まちづくりセンターにて今年度1回目の「まなびっと体験講座」が

開催されていました。

 

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タイトルは「函館のシンボル『五稜郭』が見続けた歴史ごと」。

講師は箱館歴史散歩の会主宰の中尾仁彦さん。

中尾さんは西部地区でまち歩きをしつつその場所にまつわる歴史を解説する

「箱館歴史散歩の会」を定期的に開催しておられます。

その博識ぶりとお話のわかりやすさ・おもしろさに引かれて毎回たくさんの方が

参加しておられるようで、前回はなんと参加者数が約150人にも上ったのだとか・・・!

 

私、NHKラジオの公開放送などの場で中尾さんの歴史ばなしをチラッとだけ

お聞きしたことがありますが、残念ながら今まできちんとお聞きしたことがなく・・・。

なので、良い機会だと思い参加してきました!

 

函館の歴史についてはそこそこ詳しいぞ、と思っている私も初めて聞いた話とか、

おもしろいなーと思った話がいろいろとありました。

 

あまり一般には知られていないだろうなーという話を幾つかご紹介すると・・・

・元町から箱館奉行所を移転するにあたっての条件は、海から艦砲射撃が届かない

距離であることと水に困らないこと。

・当初は大野の市渡や神山が候補地に挙がったが、役人たちの「遠すぎる」との声で

現在地になった。本当はもっと海から遠いほうが良かった。

・五稜郭のような多角形の西洋式城郭には石垣は作らないのが普通。大砲の弾が飛んできたら

跳ねて危険だから。五稜郭も当初土塁だけで築いたら、凍結で冬に崩れたため石垣になった。

・五稜郭の正面側は寒川の石が使われている。裏側の石の形や組み方が適当なのは、途中で

予算がなくなって違う場所の石を使ったから。

・大妻高校や市立函館高校の付近に松があるが、その付近まで奉行所の敷地だった。

・亀田川から木の樋(とい)で水を引いたが、当時としては画期的だった。

・五稜郭の正式名称は「亀田御役所土塁」。あくまで役所なので大砲は一門もなかった。

 

などなど・・・。

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個人的には、「弁天台場(弁天岬台場)」の重要性について触れられていたのが

結構うれしかったです。

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 ◆現在の函館どつく方向を写した写真。海に突き出た黒っぽい五角形のものが

   弁天台場。実は五稜郭よりすごかったんだぞ。函館市中央図書館所蔵。

 

弁天台場について語ると長くなりそうなので、それはまた別の機会に。

 

もうひとつだけ印象に残った言葉を。

「函館氷は一番最初の函館ブランドと言えるかもしれない」。

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今でこそ「函館産」が全国でありがたがられますが、その元祖と言えるのが函館氷ではないかと。

「函館氷」とは、五稜郭のお堀で切り出されていた天然氷。

品質の高さから全国で大人気となり、博覧会で竜紋の賞を獲得した後は「竜紋氷」として

さらに全国にその名をとどろかせたと記録されています。

 

函館、昔からすごいぞ。

 

そんな、楽しいお話が満載のまなびっと体験講座でした。

 

ちなみに、函館市の生涯学習事業である「まなびっと」は今年度から運営主体が

まちづくりセンターとなっており、市内のNPO関係者や学生らが運営委員に加わっています。

青年センターも微力ながらお手伝いさせていただいておりまして。

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この日も運営委員としてセンタースタッフの明本が受付を務めておりました。

 

・・・で、手に持ってるのは何?と思われた方。

それについてはまた後日。

センター長 佐々木やすひろ