「どうせ無理」撲滅!バカにされてナンボです

「できないと思い込んでいるから、思い込まされているからできないだけ。

わからないことを放置しなければ何でもできます!」

 

昨日(1月24日)、函館市芸術ホールではそんな力強い言葉が

響いていました。

語っていたのは北海道の赤平市で宇宙ロケットの開発を手掛けている

植松電機の植松努専務。

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以前この日記でもご紹介しましたが、植松さんは学校の先生に否定されながらも

子どもの頃の夢やあこがれをあきらめずに独学で追い続け、

今では世界が注目するロケットの開発に携わるようになったというユニークな方。

せっかく函館に来られる貴重な機会なのでセンター長の私もお話をお聞きしてきました。

 

・自分は今の世の中を変えたい。「どうせ無理」という言葉をなくしたい。

 宇宙開発はそのための手段。こんな北海道の町工場でも宇宙ロケットを開発できることを

 子どもたちに見せたい。

 

・植松電機はある用途の電磁石の分野で寡占状態にあり、競争相手がいない。

 なぜなら発明をしたから。発明のコツは、イヤな状態を我慢しないこと。

 なぜイヤなのかを考え、だったらこうしてみたら良いと考えることが人を救う発明になる。

 

・人はみんなもともと特別。でも、変だなあとかおかしいなあという心のざわめきを押さえつけて

 「こういうもんだ」「当たり前だ」と思っていると普通の人になれる。

 

・どんな人にもすばらしい未来がある。どこに偉人がいるかわからない。

 だから、自分と他人の未来を絶対に疑わないこと。

 

・がんばりたいのに、やってみたいのに「失敗したらどうするの」と私たちは言われ続けてきた。

 その結果、がんばれない人やできることしかやらない人が量産された。

 

・自分は飛行機が大好きだったが、中学生の時に進路を聞かれて「飛行機の開発をしたい」

 と言ったら「よほど頭が良くないと無理。そもそもこの町に生まれた時点で無理」と言われた。

 だが、すぐにデタラメだと分かった。やったことのない大人が「できっこない」と言っているだけ。

 やりたいことはやったことのある人から学べばいいし、本だって普通に売っている。

 ライト兄弟は大学に行ってもいないし誰からも教えてもらっていないのに飛行機を作れた。

 だったら現代のぼくらのほうが状況は恵まれているはず。

 

・「宇宙開発」と聞くとみんな「無理ー」と思うが、そうでもない。時代は進歩している。

 アポロは今のようなコンピューターのない時代だった。

 そんな時代をみんなイメージしているが、ぼくらの作っているロケットの材料は

 ホームセンターと通信販売ですべて手に入る。

 できないと思い込まされているからできないだけ。

 

・子どもの頃はいろんな「ハカセ」がたくさんいたはず。でも、ほとんどの子は途中でやめてしまう。

 でも、自分は「飛行機ハカセ」をやめなかったおかげで飛行機が作れるようになった。

 同じように鉄腕アトムの夢を追い続けた人たちが二足歩行ロボットを開発している。

 

・成績が悪い子から好きなことを奪ったら何も残らない。

 読んだり調べたり書いたり作ったりすることは良いことなので、それをしている限りは

 やらせてあげて欲しい。

 

・世界初のことに取り組む時、誰もそのやり方を教えてくれない。だから自分で考えて試すしかない。

 誰も信じてくれないから自分で自分を信じるしかない。

 そして、必ずバカにされる。「そんなの意味ないよ」「そんなことやって何になるんだ」と。

 だが、さんざんバカにされたことを乗り越えた人だけが世界初で世界一になれる。

 

・失敗を自分や誰かや何かのせいにしてはいけない。そんな暇があったら、「なぜだろう?」

 「どうしたらいいんだろう?」と考えたほうがいい。

 

言われてからするのでなく、すべきことをする。人生はフライングしたほうが先に進める。

 

・「どうせ無理」「自分なんて・・・」という言葉があるせいで、年間3万人もの人が命を

 失っているのかもしれない。人の可能性を奪うことは命を奪うことと同じ。決してしてはいけない。

 

・バカにされても、バカになるわけではない。宇宙戦艦ヤマトの沖田十三艦長は言った。

 「明日のために今日の屈辱に耐えるのだ」と。

 

・「どうせ無理」を禁止したい。その言葉を言ってしまった人には、次のような罰を与えようと思う。

 「どうやったらできるかを考えること」。

 

会場には若い方や学生さんの姿も多く見られ、植松さんのソフトでユニークなお話に

引き込まれるように聞き入っていたようです。

帰り際、「俺講演とか聞いたら絶対寝るんだけど今日は全然眠くならなかった」と

誰かの声が聞こえてきました(笑)

 

植松さんは2009年に「NASAより宇宙に近い町工場」という本も書いておられ、

また赤平市の植松電機では家族のような少人数でも随時見学を受け入れているとのこと。

興味のある方はぜひ植松さんの言葉に触れてみてください。

センター長 佐々木やすひろ