開港地のDNA

いきなりですが、青年センターにダース・ベイダー登場。

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「写真撮っていい?」と尋ねたら、あの呼吸音で答えてくれました。

ベイダー卿が青年センターに来てくれたのは、昨日のこと。

 

ロビーで開催されていたイベント「函館萌え合戦 千代ヶ岡の陣」に

ご来場されたのでした。 

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今回初めて開催されたこのイベント、函館で同人誌制作活動や

アニメ・漫画等のコスプレに携わっておられる若者の皆さんの発表の場として企画されたもの。 

 

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ピアノの生演奏が行われたり、身近な科学を体験できるおもちゃが展示されたりと

文化的な要素もいろいろ。

教育大函館校のマスコミ研究会の学生さんたちもブース出店され、

自分たちで制作した雑誌を展示しておられました。 

 

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とってもレベルの高いコスプレの皆さんも参加され、撮影などを楽しんでおられたようです。

 

「同人誌」や「コスプレ」は一般社会や普通の大人からは異端視されている場合が

少なくありません。

「文化」として認識されていないとも言えます。

 

ですが、石川啄木も正岡子規も夏目漱石も、みんな同人活動をしていたのです。

ものになるかならないかは結果論。

そもそも同人活動をしておられる方の多くは商業的な意味で「ものになる」ことを

目指してはおられないでしょう。

石川啄木の同人活動は尊くて漫画を描いている現代の若者は尊くない、

なんてことは決してありません。

 

「コスプレ」も被服技術として素晴らしく目を見張るものがあります。

いかに費用を抑えて2次元のキャラクターを3次元に再現するかに

皆さん知恵を絞っておられるわけです。

どちらもかなりの程度確立された「文化」であることに違いありません。

多くの人にとっては「異文化」かもしれませんが。

 

自分が触れたことのないもの、理解できないものについて「気持ち悪い・怖い」と

思ってしまうのはよくあること。

でも、開港地である函館のまちと函館の人には、初めて見る各国の異人さんたちと

仲良く共存してきたDNAが受け継がれています。

言い換えれば、異文化を受け入れる懐の広さがあります。

だから、普通のオトナとちょっとマニアックなワカモノも共存していけるはず。

 

今回の「函館萌え合戦 千代ヶ岡の陣」を見ていてあらためて思ったことがあります。

それは、社会や大人から異質に見られてしまうワカモノにこそ自己表現の場や

仲間同士が集う場が必要なのだということ。

青年センターはこれからも、できる限りそのための場所を函館のワカモノたちのために

提供していきたいと考えています。

センター長 佐々木やすひろ